活躍する卒業生

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フリーアナウンサー(元信越放送アナウンサー)、話し方講師、
紅茶教室主宰 UK Tea Academy認定 Tea Sommelier
島田 枝里
旧姓:滝沢、平成元年卒

今の自分を信じて前へ進む
~みんなの笑顔を引き出す仕事で貢献~

島田 枝里  平成元年滝高校を卒業後、関西大学から信越放送にアナウンサーとして入社。1999年退社後、家族と住む金沢市で紅茶教室主宰、フリーアナウンサー、話し方講師として活躍している島田枝里さんに、ホテル日航金沢でアフタヌーンティーをいただきながら話を聞きました。

ー紅茶に関心を持ったきっかけはあったのでしょうか。  私の紅茶の原点は、実家での朝食です。いつも朝食はパンと紅茶。ダイニングに朝日が入ってきて、紅茶がキラキラ光るその光景がずっと印象に残っています。講師認定資格を取ったのは信越放送時代。当時はまだ珍しかった紅茶教室があると知って通うようになったら、とことん紅茶のこと突き詰めたくなって、資格まで取ってしまいました。紅茶のことや淹れ方、産地のこと、歴史や食器、マナーに至るまで、奥深くて幅広い、本当に面白い世界だと思っています。

 日本でも、今アフタヌーンティーがものすごくはやっていますね。午後のひと時を優雅な気分で過ごしたい若い女性を中心に、“ヌン活”という言葉も生まれたほどです。アフタヌーンティーは、ビクトリア時代、イギリスのある貴族の女性が、朝食と夜8時過ぎから始まるディナーまでの間の空腹しのぎに、軽く紅茶とバター付きパンなどを食べたのが始まりで、文化として発展していきました。サンドイッチなどのセイボリー、スコーンなどの焼き菓子、そしてケーキ類という順に、紅茶と共におしゃべりを愉しみながら、2時間ほどかけて頂きます。私の紅茶教室でも、時にはアフタヌーンティーもしますし、色々な紅茶の楽しみ方をお伝えして、みんなで紅茶のあるハッピーな時間を過ごしています。

ーアナウンサーになろうと思ったのはいつごろで、何かきっかけはあったのでしょうか。  私はもともと、しゃべることは不得意。声も小さく、人前での発表など目立つことも嫌いでした。そんな自分がアナウンサーを意識するようになったのは、関西大学に入ってからです。国語学を専攻して言葉に興味を持ったところへ、食べ歩きサークルの仲良し7人組のひとりがアナウンサー志望でスクールに通っていて。面白そうと私も他のスクールに入ったのです。社会に出て自分の意見をパッと言えるようになれればいいというぐらいの気持ちでした。大学3年の時、吹田ケーブルテレビジョンの市の広報番組のキャスターに選んでいただき、アナウンス業に興味を抱いたのは確かですが、決め手になったのは、いつもの仲良しメンバーと受けた、今宮戎神社福娘の選考会での出来事です。
 司会の方から言われたのは、「ひとり15秒で自己PRしてください。」短いですよね(笑)。ですが、他の人たちはみんな、子供の頃から福娘に憧れていたことを3分ぐらいかけて話していたのです。私は関西の生まれではないので、福娘が何かも分からないまま会場にいました。憧れも何もなく、どうしたものかと途方に暮れていたのですが、ふと思ったのです。「多分この会場に関西出身でないのは私だけ。これは行けるかも ! 」 他の人が長いなら、私は15秒で話そう ! と頭を切り替えました。そこで言った自己PRは、「私は大阪の出身ではありませんので、大学時代は大阪を満喫しようと食べ歩きのサークルに入っています。そのため、舌が肥え、大阪にも馴染み、関西弁もすっかり上手になりました。ですので、私がもし福娘に選ばれましたら、“これでほんまに、大阪の女になれるんちゃうかなぁ”と思っております。」

 流れ作業状態の審査員の手が止まり、なんだ?なんだ?という感じで顔を上げ、質問もいくつか頂き、最終的に、応募総数5800人以上の中から50名の福娘のひとりに選んでいただきました。人と違うことが売りになること、言葉で伝える技術や重要性、面白さもここで知りました。そして、そのことを仕事とするアナウンサーを、本気で目指してみようと思ったのです。

 信越放送では、夕方のニュースキャスターをはじめ、いろんな経験をさせてもらいました。特に入社5年目で迎えた長野オリンピック・パラリンピックの取材は特別な思い出です。それまで経験したワールドカップなどとは全く次元が違う規模なのです。世界がここ長野にすっと凝縮したような感覚。パラの選手たちの取材にも力を入れて、まだパラ競技があまり知られていなかった時代だけに、競技や使う道具、それを支える人たち、選手が背負っている背景など、ありとあらゆることを取材してオンエアしました。やりがいがあったし、楽しかったですね。オリンピック後の長野を一年見とどけて、6年目で信越放送を退社しました。

ー滝学園時代、どんな生徒でしたか。  滝中学校時代は、正直に言いますと、勉強は嫌い、自分に自信がない、将来の目標もなく、まったくもって劣等生でした。ただ、絵を描くことは大好きで、部活も美術部でした。その時の顧問だった藤川節子先生が、いつも私の絵を褒めてくださって。勉強は全くダメでしたが、先生に絵や感性を認めていただけただけでも十分学校に行くモチベーションになりました。自分の好きなこと、得意なことを大事にすればいいというメッセージだったのかもしれませんね。認めてくれる人がいるということは大きな支えです。
 高校3年の担任だった堀西くに先生も私を認めてくださったひとりです。関西大学に入ったのは先生の後押しがあったから。滝高校には関大の指定校推薦枠があって、国文学科に対する私の評定を知りたかったので調べてもらったのです。先生からは、「足りてるけどどうする?」と言われましたが、恐れ多くて申し込めませんでした。そうしたら、誰も応募者がいない。そこで、先生から受けてみたらと言っていただき、受験を決めました。出願前には学芸員にも興味があって、資格を取りやすい哲学科と迷ったのですが、「枝里ちゃんは国文学科の方がいいわよ」と。それで心が決まりました。その後、国文学科で国語学と出会い、言葉への興味が湧いてアナウンサーへと道が開かれたのですから、あの時に自分の人生が決まったも同然。堀西先生には感謝しかありません。

ー女性の場合、結婚されると出産・育児がありますが、どのような生活のリズムにされていますか。  信越放送を結婚退職し、夫のいる金沢に来ました。放送業界の激務よりも、何かゆったりと紅茶に関わることができたらと思って始めたのが、紅茶のネット通販でした。2000年のことです。子どもが出来たとしても家でできると考えてのことで、今でも基本的には在宅ワークをメインに、必要に応じて外に出向いて仕事するスタイルです。
 起業後はとにかく楽しくて楽しくて。紅茶の商品を作り、ホームページも自作して活動していました。すると半年ぐらいたった頃に、ホームページを見たMROラジオ(北陸放送)から“紅茶”で出演をとオファーがあったのです。そこで、茶葉や道具一式とプロフィールを持って局を訪ねると、「あなたが信越の方ですか ! 」と。実は信越放送と北陸放送のアナウンス部長がお友達で、私の話が伝わっていたのです。しかも、「ちょうどアシスタントを探している番組があるのでお願いします ! 」と話が進み、突然翌月からフリーアナウンサー業がスタートしてしまいました。もうアナウンサーからは遠ざかるつもりでいたのですが、いざオファーをいただくと、断るでもなく、なんとなく始めてしまった自分がいました。まだやり切れていない感覚があったのかもしれませんね。ありがたいことに、組ませていただいたアナウンサーさんがとても私を評価してくださって、自信になったのを覚えています。ここでも私を認めてくれた人がいたのです。2015年には、えふえむ・エヌワンの番組でギャラクシー賞をいただくこともできました。

ー座右の銘はありますか。  「美味しいものを食べているとき、誰も怒った顔をする人はいない。」これは大学生の頃、家族旅行で長野県茅野市のフレンチレストランに行った際、テーブルの上のメッセージカードにあった言葉です。たとえ直前まで誰かと喧嘩をしていたとしても、美味しいものを食べている瞬間は、怒りなんてどこかへ行ってしまう。怒りに限らず、辛いことがあったり落ち込んでいるときも同じ。美味しいものを食べて気持ちをリセットする人はきっと多いはず。美味しいものの魔法ですよね。それと同じように、私の話を通じて皆さんに笑顔になっていただけたら。そんな思いが私の仕事のベースになっています。

ー今後どうしていきたいですか。  番組でも、紅茶教室でも、私から発信する全てにおいて、見る人、聴く人、味わう人、みんなに、美味しいものを食べたときのような“幸せ笑顔”になってほしいです。“伝える”ということを通じて、みんなの笑顔を引き出す。そんな仕事をしていきたいと思っています。また、紅茶に関しては、私の後に続く後輩を育てるための新たな取り組みを計画しているところです。

ー滝学園の在校生、卒業生に対し、生きていくうえでの助言がありましたら。  自分を信じて進んでいけば、そこに必ず認めてくれる人、応援してくれる人が現れるということです。そして、そういった人たちが大きな支えとなってくれます。中学時代の藤川先生、高校時代の堀西先生だけでなく、アナウンサーの仕事でお世話になった方々や福娘の審査員の方々もそうですよね。自分がコンプレックスと思っている部分を、むしろ認めて引っ張り上げてくださいました。ですから、自分のことを否定することなく、今の自分を信じて前へ進んでいってほしいです。必ずあなたを認めてくれる人、応援してくれる人が現れますから。

Profile

島田 枝里しまだ えり

昭和58年9月生 フリーアナウンサー(元信越放送アナウンサー)、話し方講師、紅茶教室主宰
UK Tea Academy認定 Tea Sommelier

https://lit.link/ginnome/
  • 1971年3月生
  • 1989年関西大学文学部国文学科入学 国語学専攻
  • 1991年吹田ケーブルテレビジョン 広報番組キャスターに
  • 1991年平成4年度 今宮戎神社福娘選出
  • 1993年関西大学文学部国文学科卒業
  • 1993年信越放送入社 アナウンス部に配属
  • 1994年『SBCニュースワイド』キャスターに抜擢
  • 1998年長野パラリンピック取材担当者の一員に
  • 1999年紅茶講師資格取得
  • 1999年信越放送退社 結婚
  • 2000年紅茶のネット通販と講師業で起業
    MROラジオ(北陸放送)などでフリーアナウンサーとして活動
  • 2005年レギュラー番組『ストア ! オールディーズ』(えふえむ・エヌワン)が、ギャラクシー賞(ラジオ選奨)受賞
  • 2016年話し方講師業をスタート
  • 2020年UK Tea Academy認定 Tea Sommelier資格取得

★レギュラー番組:『オールディーズ・デイティング』毎週金曜12:00~12:58(えふえむ・エヌワン)
https://www.fmn1.jp/

★連載:中日新聞WEB『達人に訊け ! ~島田枝里のおいしい紅茶のある暮らし』
https://plus.chunichi.co.jp/blog/shimada/

英国ファンのための情報サイト 『UK Walker』
https://ukwalker.jp/author/shimada/ ※プロフィールは、取材日(2023年5月18日)時点の内容を記載しています。

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